お盆の帰省中、親の変化がふと気になった——。

「なんだか、足取りが少しおぼつかない」

「前より物忘れが増えた気がする…」

「テレビを見ているだけで、ほとんど話さないな」
すぐに介護が必要な状態ではないけれど、「ちょっと心配…」と感じた方も多いのではないでしょうか。
でも、だからこそ今、できることがあります。
それは、「介護施設の情報を、今のうちに集めておくこと」。
これはちょうど、子どもが高校2年生くらいになったとき、「大学どうする?」と意識しはじめて、
資料を取り寄せるようなものです。入学はまだ先でも、今から情報を集めておけば、いざというときに慌てず決断できます。
介護施設も同じ。
“元気なうち”に知っておくことで、「選ぶ側」でいられるのです。

なぜ今見学・資料請求が必要なのか?
介護施設に入るきっかけは、実は「在宅での暮らしが限界にきたから」ではないことがほとんどです。
多くの場合は、入院→退院のタイミングで、急に決断が迫られます。
施設で働いていると、よくこんな言葉を耳にします。
「病院から“来週には退院です。施設を探してください”って言われて…」
「でも、どこにどんな施設があるのか、まったくわからなくて…」
現場でよくある突然の通知!退院を目前に、急いで施設を探す。
空いている施設に見学もせず入る。
それが後から「こんなはずじゃなかった」と感じる理由になることも…。
だからこそ、今すぐ入所しなくても、情報だけは持っておくことがとても大切です。
今が“資料請求のはじめどき”な理由
「まだ早い」と思っていても、介護はある日突然やってきます。
- 転倒で骨折し、手術・入院を経て施設入所へ
- 認知症が進行し、家族だけでは在宅介護が難しくなる
- 独居の親が体調を崩し、生活が立ち行かなくなる
そんなときに慌てて調べるのではなく、今から少しずつ情報を集めておくことで、「選べる立場」でいられます。
たとえば、子どもの進学を考えるとき、「とりあえずパンフレットを集めてみよう」と思いますよね。
施設選びも、それと同じように“情報のストック”をするイメージでOKなんです。

施設見学・資料請求で得られるリアルな情報とは?
介護施設のパンフレットや見学で得られる情報には、ホームページだけではわからない「生の声」がたくさん詰まっています。
- 施設の種類や特徴(特養・有料・グループホームなど)
- 入居までの条件や流れ(要介護度・保証人・空き状況など)
- 月額費用の目安と、生活の中身(食事・入浴・レクリエーションなど)
- 実際の雰囲気や職員の対応、他の入居者の様子
これらを比較しながら、家族内で方針を話し合う材料にもなります。
帰省シーズンに資料請求・施設見学をすすめる理由
春や秋は入居希望者が増えやすく、施設も予約で混み合うことがあります。
一方で、夏から初秋にかけては比較的空室が出やすく、見学予約も取りやすい時期といわれています。
介護施設の相談員や紹介センターの間でも、「秋以降は申込みが集中するので、夏〜秋に動いておくと安心」といった声がよく聞かれます。
お盆やシルバーウィークなど、家族が集まりやすいタイミングは「そろそろどうする?」と話し合うきっかけになります。
早めに見学予約をしておけば、秋以降にじっくり施設を回ることも可能です。
ただし実際に動き始める前に、「特養」「サ高住」「有料老人ホーム」など、種類ごとの費用や入居条件を理解しておくと安心です。
👉特養・サ高住・有料老人ホームの費用比較|月額・入居金をわかりやすく解説
まとめ
いざという時、何も知らないままだと焦ってしまいます。
でも、情報が手元にあれば、落ち着いて比べて選ぶことができます。
介護は、ある日突然やってくるもの。
でも、その前に「備えておける部分」はたくさんあるんです。
だからこそ、この夏、お子さんの大学進学のように——
「とりあえず資料だけでも」そんな気持ちで、一歩踏み出してみてください。
情報がある人は、選べる立場になれます!

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