はじめに
「実家を片付けたいけれど、何から始めればいいかわからない。」
そんな悩みを抱えている方は多いのではないでしょうか。
実家の片付けというと、「どの部屋から始めるか」「何を捨てるか」に目が向きがちです。
しかし、本当に大切なのは親がこれからも安全に暮らせる環境を整えることです。
私は言語聴覚士(ST)として高齢者のリハビリに携わる中で、転倒や誤薬、食生活の乱れなど、暮らしの小さな変化が生活に大きく影響する場面を数多く見てきました。
この記事では、実家の片付けを始めるタイミングと、親が安全に暮らすために優先して片付けたい場所をわかりやすく解説します。
実家の片付けが必要になるタイミングとは?
実家の片付けは、親が元気なうちに始めるのがおすすめです。
元気なうちであれば、親の気持ちや希望を聞きながら、一緒に進められるからです。
例えば、
- 物が増えてきた
- 廊下や玄関に荷物が置かれている
- 冷蔵庫に同じ食品が何個も入っている
- 「探し物が増えた」と話すようになった
こうした変化は、暮らしが少しずつ負担になっているサインかもしれません。
転倒や入院、施設入所が決まってからでは、短期間で片付けなければならないこともあります。
「まだ早いかな?」と思う時期から少しずつ始めることが、親にも家族にも負担の少ない片付けにつながります。
💡 POINT
実家の片付けの目的は「捨てること」ではありません。
親が安心して暮らし続けられる環境を整えることです。
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実家の片付けは何から始める?親が安全に暮らすための5つのポイント
実家の片付けは、場所ではなく**「何を防ぐために片付けるのか」**を考えることが大切です。
高齢者の暮らしでは、毎日使う場所を安全にするだけでも、転倒や生活上のトラブルを防ぎやすくなります。

転倒を防ぐための片付け
最初に片付けたいのは、家の中で毎日歩く動線です。
特に、
- トイレまでの動線
- 廊下
- ベッド周り
- 玄関
は優先して確認しましょう。
高齢者は夜中や明け方にトイレへ行く機会が多く、寝起きは体が動きにくいため転倒しやすい時間帯です。
新聞や段ボール、買い物袋などを避けようとしてバランスを崩すことも少なくありません。
私なら、まずトイレまでの動線から整えます。
毎日何度も通る場所だからこそ、少し物を減らすだけでも転倒予防につながります。
💡 今日からできること
トイレまでの通路に置かれている物がないか、一度確認してみましょう。
薬や大切な物を管理するための片付け
ダイニングテーブルやこたつは、郵便物や薬、メモなどが集まりやすい場所です。
物が積み重なると、
- 薬を飲み忘れる
- 診察券や保険証が見つからない
- 必要な書類を探すのに時間がかかる
といった困りごとにつながります。
片付ける目的は、テーブルをきれいにすることではありません。
薬や大切な物を「すぐ見つけられる状態」にすることです。
薬やお薬手帳、診察券などは、家族もわかる定位置を決めておくと安心です。
食事と健康を守るための片付け
冷蔵庫やキッチンは、健康を守るために優先して整えたい場所です。
例えば、
- 賞味期限切れの食品が残っている
- 同じ食品を何度も買っている
- 冷蔵庫がいっぱいで中身が把握できない
このような状態では、食材を無駄にしてしまうだけでなく、食生活の乱れにもつながります。
高齢になると、買い物や食品の管理が以前より負担になることがあります。
まずは冷蔵庫の中を見直し、必要な物がすぐ取り出せる状態を目指しましょう。
💡 今日からできること
冷蔵庫の中を確認し、賞味期限切れの食品や重複している食材がないか見直してみましょう。
火災や事故を防ぐための片付け
見落としがちですが、火災や事故につながる場所も早めに確認しておきたいポイントです。
特に注意したいのは、
- コンセント周りのほこり
- 古くなった延長コード
- ストーブやヒーターの周囲
- コンロの周り
コードにつまずいて転倒したり、コンセントにたまったほこりが原因で火災が起きたりすることもあります。
普段あまり気にならない場所だからこそ、一度確認しておくと安心です。
介護や将来に備えるための片付け
実家の片付けは、今だけでなく将来への備えにもなります。
物が多いと、
- 家族が手伝いにくい
- 必要な書類が見つからない
- 介護サービスを利用しにくい
など、困る場面が増えてしまいます。
すべてを一度に片付ける必要はありません。
少しずつ物を減らし、「家族も動きやすい家」にしておくことが、これからの安心につながります。
親と揉めずに実家の片付けを進めるコツ
実家の片付けで一番大切なのは、親の気持ちを尊重することです。
良かれと思って片付けても、親にとっては「勝手に捨てられた」と感じてしまうことがあります。
進めるときは、次の3つを意識しましょう。

✅ 勝手に物を捨てない
親に確認しながら進めることで、トラブルを防ぎやすくなります。
✅ 一度に終わらせようとしない
一日ですべて片付けようとすると、お互いに疲れてしまいます。
「今日は玄関だけ」「今日は冷蔵庫だけ」と、小さな範囲から始めるのがおすすめです。
✅ 親の気持ちを否定しない
長年使ってきた物には、それぞれ思い出があります。
「なんで取ってあるの?」ではなく、「これは大切な物なんだね」と気持ちを受け止めることが、スムーズに進めるコツです。
自分たちだけで難しいときは無理をしない
実家の片付けは、家族だけで抱え込まなくても大丈夫です。
一人っ子で相談相手がいない場合や、遠方に住んでいて何度も通えない場合は、専門家の力を借りることも選択肢の一つです。
また、「少しずつ物を整理していきたい」と考え始めたら、生前整理について知っておくと、今後の片付けも進めやすくなります。
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物が多く、自分たちだけでは難しいと感じる場合は、生前整理をサポートする専門業者へ相談する方法もあります。
まとめ
実家の片付けは、家をきれいにすることが目的ではありません。
親がこれからも安全に、安心して暮らせる環境を整えることが何より大切です。
何から始めればよいか迷ったら、まずは毎日使う場所や、事故につながりやすい場所から見直してみましょう。
一度に終わらせようとせず、親の気持ちを尊重しながら少しずつ進めることが、無理なく続けるコツです。
困ったときは、一人で抱え込まず、家族や専門家の力を借りることも大切です。
