はじめに
在宅で親の介護が始まると、
多くの方が最初につまずくのが 「お金の感覚がつかめないこと」 です。
- 施設ほどお金はかからない気がする
- でも、毎月いくら出ていくのかは分からない
- 今は何とかなっているけれど、この先が不安
そんな はっきりしない不安 を抱えたまま、
介護が少しずつ日常に入り込んでいきます。
在宅介護の費用は、
「月○万円」と一言で言えるものではありません。
介護度や暮らし方によって、
月数千円で済む時期もあれば、数万円になる時期もあります。
この記事では、
在宅介護にかかる月額費用を、
実際の生活イメージが浮かぶ形で整理していきます。

モデルケースで見る|在宅介護の月額イメージ
要支援1・ひとり暮らし
(在宅介護の入り口)
この段階では、介護はまだ「生活の補助」という位置づけです。
・デイサービスを週1〜2回ほど利用
・手すりや歩行器などの福祉用具をレンタル
・月額の自己負担は 約5,000〜10,000円程度
▶ 体力や認知機能が低下すると、
この先、サービス量は少しずつ増えていきます。
要介護2・夫婦ふたり暮らし
介護が「日常の一部」として組み込まれ始める段階です。
・デイサービスを週2回ほど利用
・訪問介護や訪問リハビリを併用
・月額の自己負担は 約15,000〜25,000円程度
▶ 家族の関わり時間が増え、
介護疲れを感じやすくなる時期でもあります。
要介護3以上・家族同居
(介護が生活の中心)
要介護3以上になると、
介護は「手伝い」ではなく、生活そのものを支える役割になります。
家族の見守りだけでは難しくなり、
複数の在宅サービスを組み合わせて生活を成り立たせる段階です。
●1日の流れ(要点)
・朝:起床・移乗・トイレに介助が必要。食事や服薬も見守りや一部介助が欠かせない
・日中:デイサービスを週3回ほど利用(入浴・機能訓練・食事を外部に依存)
・夜間:トイレ介助や体位変換で、家族の睡眠が分断されることもある
👉 「介護が1日のリズムを決める」状態になりやすいのが、この段階です。
●月額費用の目安(1割負担)
・デイサービス(週3回):約15,000〜18,000円
・訪問介護(身体介護中心):約8,000〜12,000円
・訪問リハビリ:約5,000〜7,000円
・福祉用具レンタル:約2,000〜3,000円
合計: 約30,000〜35,000円
※ 食費・おむつ代・光熱費などの実費は別途かかります。
●ST視点で見える現実
要介護3以上になると、
介護度が上がる=自己負担は増える一方で、
使えるサービスの幅も大きく広がります。
そのため、
デイサービスや訪問介護の回数が減ると、
生活そのものが回らなくなるケースも少なくありません。
介護度が下がることを、
本人や家族が素直に喜べない場面があるのも、
現場ではよく見られる現実です。

要支援と要介護の違い
| 区分 | 状態の目安 |
|---|---|
| 要支援1・2 | 生活はほぼ自立、予防的支援が中心 |
| 要介護1・2 | 一部介助が必要、在宅サービスが本格化 |
| 要介護3以上 | 日常生活に継続的な介助が必要 |
要支援は「これから悪化させないための支援」、
要介護は「生活を支えるための介護」が中心になります。
在宅介護でよく使われるサービス
| サービス | 内容 |
|---|---|
| デイサービス | 入浴・食事・機能訓練 |
| 訪問介護 | 身体介護・生活援助 |
| 訪問リハビリ | 自宅でのリハビリ支援 |
| 福祉用具レンタル | ベッド・車いす・手すりなど |
ここで注目したいのは、
サービスが増えるほど、家族の役割も変わっていくという点です。

まとめ
在宅介護の費用は、
ある日突然高額になるのではなく、
介護度に応じて段階的に増えていくものです。
「今はまだ大丈夫」と感じている時期こそ、
全体像を知っておくことが、
この先の選択を少し楽にしてくれます。
