はじめに
「親の介護が必要かも…でも、老人ホームって実際いくらかかるの?」
介護施設で10年以上働いている私が実感するのは、「費用の見通しがつかなくて動けないご家族が多いこと」です。
私自身も、仕事を始めたばかりの頃は「介護施設=高い」というイメージしかありませんでした。
この記事では、代表的な老人ホーム6種類の特徴と費用の目安を、公的データをもとにわかりやすくまとめています。
「特養は安いけど入れない?」「民間施設って高いの?」という疑問を解消し、次の一歩を踏み出す参考になれば嬉しいです。

老人ホームの種類と費用の目安
出典:厚生労働省「介護保険事業状況報告(令和5年度)」、介護サービス情報公表システム、各自治体公表資料(2024年時点)
| 施設の種類 | 主な特徴 | 対象者 | 入居金の目安 | 月額費用の目安 |
|---|---|---|---|---|
| 特別養護老人ホーム(特養) | 公的で人気の「終の棲家」。軽減制度あり | 要介護3以上 | 0円 | 約7〜15万円 |
| 介護老人保健施設(老健) | 医療・リハビリ中心。原則3〜6か月滞在 | 要介護1以上 | 0円 | 約8〜16万円 |
| 介護付き有料老人ホーム | 介護・食事・生活支援が含まれる民間施設 | 要支援〜要介護 | 0〜数千万円 | 約15〜30万円 |
| 住宅型有料老人ホーム | 外部の訪問介護を利用。自由度高め | 自立〜軽度 | 数十万〜数千万円 | 約10〜25万円 |
| サービス付き高齢者向け住宅(サ高住) | 見守り・生活支援つき賃貸住宅 | 自立〜軽度 | 0〜数十万円 | 約10〜20万円 |
| ケアハウス(軽費老人ホーム) | 公的支援あり。全国に少ない | 自立〜軽度 | 数十万円 | 約6〜15万円 |
こうして比べてみると、「特養」や「老健」は比較的費用が抑えられる一方、民間の有料老人ホームやサ高住は、快適さと引き換えにコストが高くなる傾向があります。
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各施設ごとの費用目安や介護度別の自己負担を知りたい方は、
介護費用シミュレーション|要介護度別の目安もあわせてご覧ください。
費用以外で見落としやすい3つのポイント
① 入居一時金の有無
有料老人ホームでは、入居時に数百万円〜数千万円の「入居一時金」が必要なケースもあります。
最近は「0円プラン」も増えていますが、その分月額費用が高く設定されていることもあります。
- 初期償却期間:契約直後に退去しても返金されない期間があるか
- 返金条件:入院・退去時に返金される条件
- 不在時費用:入院中も管理費などが発生するか
💡トラブル防止のために、消費者庁「高齢者の住まい選びの注意点」や厚生労働省「有料老人ホームに関する制度等」も確認しておくと安心です。
② 介護保険サービスの自己負担割合
特養など公的施設は1〜3割負担ですが、民間施設は介護保険外サービス(レクリエーション・医療連携費など)が加算される場合があります。
契約前に「月額費用に何が含まれているのか」を必ず確認しておきましょう。
③ 医療体制への対応
認知症や持病がある場合、医療連携がしっかりした施設を選ぶことが大切です。
看護師常駐・協力医療機関の有無など、入居前に確認しておくと安心です。

「老健=ずっと住める」は誤解
現場でよくあるのが「老健に入ったらもう安心」という思い込み。
実際には、老健(介護老人保健施設)はリハビリを通じて在宅復帰を目指す中間施設です。
入所期間は原則3〜6か月で、状態によっては退所を求められることもあります。
突然の退所通告に慌てないためにも、「老健は仮住まい」と捉え、早めに次の住まいを検討しておくことが大切です。

まとめ
老人ホームの費用は、施設の種類や地域によって大きく異なります。
「高いから安心」「安いから不安」ではなく、本人の状態に合っているかどうかが一番のポイントです。
💬 まずは複数施設の資料を取り寄せて、月額費用・サービス・医療体制を比較してみましょう。
無料で一括請求できるサイトを使えば、条件に合う施設を効率よく見つけられます。
💡関連記事:施設の費用を知ったあとは、「いつ」「どう始めるか」を考える段階です。
帰省で気づく親の変化|施設選びを始めるベストタイミングで、資料請求や見学のベストタイミングをチェックしてみてください。


