犬を飼う最後の年齢は?70代・80代から迎える前に家族で考えたいこと

「犬の譲渡施設で、高齢女性と娘がミニチュアダックスを迎えることについて相談する様子」 話す食べる相談室

はじめに

「70代だけど、もう一度犬と暮らしたい」

「80代の親が、寂しいから犬を飼いたいと言っている」

高齢になってから犬を迎えたいと考える方もいるでしょう。

犬がいると、散歩に出るきっかけができ、毎日の楽しみも増えます。

一方で、犬は「かわいい」「癒やされたい」という気持ちだけでは飼えません。

散歩や食事、排泄物の片付け、動物病院への通院など、毎日の世話が長く続きます。

📌 犬を飼う最後の年齢に、一律の答えはありません。

大切なのは「今、犬を飼えるか」ではなく、犬の一生を最後まで支えられるかです。

私は言語聴覚士(ST)として、高齢者の生活や心身の変化に関わってきました。

また、子どもの頃から30年近く犬と暮らしています。

犬との生活は楽しく、かけがえのないものですが、長く一緒に暮らしてきたからこそ、犬を迎える前には、将来の暮らしまで考えてほしいと思っています。

この記事では、70代・80代から犬を迎える前に、本人と家族で考えておきたいことを解説します。


犬を飼う最後の年齢は何歳?

「高齢女性と娘が、犬の散歩や通院、将来の家族の支援について話し合う様子」

日本では、「○歳以上は犬を飼ってはいけない」という法律上の年齢制限はありません。

💡「年齢制限がない=何歳でも安心して飼える」ではありません。

年齢そのものより、犬の寿命や将来の生活まで考えることが大切です。

同じ70代でも、健康状態や体力、生活環境は一人ひとり違います。

そのため、「70歳までなら大丈夫」「80歳だから飼えない」と、年齢だけで判断することはできません。

一方で、ペットショップや保護犬の譲渡団体では、飼い主の年齢や生活環境を確認する場合があります。

高齢者だけの世帯では、家族の同意や、将来犬を引き取れる人を求められることもあります。

条件は店舗や団体によって異なりますが、犬が最後まで安心して暮らせる環境があるかを確認するためでもあります。

犬の平均寿命から10年後を考えよう

一般社団法人ペットフード協会の調査では、犬全体の平均寿命は約15歳です。

犬の大きさによって違いはありますが、子犬から迎えれば、10年以上一緒に暮らす可能性があります。

🐕 犬の平均寿命の目安

犬の大きさ平均寿命の目安
超小型犬約15歳
小型犬約15歳
中・大型犬約14歳

※平均寿命はあくまで目安です。平均より長く生きる犬もいます。

また、厚生労働省によると、健康上の問題で日常生活を制限されずに暮らせる「健康寿命」は、2022年時点で男性72.57歳、女性75.45歳です。

もちろん個人差があり、この年齢を過ぎたら支援が必要になるという意味ではありません。

しかし、70代・80代から犬を迎えるなら、今の元気さだけでなく、数年後に体力や生活が変わる可能性も考えておく必要があります。

「今は世話ができる」だけでなく、10年後の自分と犬の暮らしも想像してみましょう。


70代・80代から犬を迎える前に確認したいこと

犬との暮らしには、毎日続ける世話があります。

迎えてから「思っていたより大変だった」とならないよう、本人だけでなく、家族も一緒に確認しておきましょう。

🐕 犬を迎える前に家族で確認したいこと

☑ 毎日の散歩や食事、排泄物の片付けを続けられる?

☑ 病気や入院のとき、すぐに犬を預けられる人はいる?

☑ 動物病院への通院や、急な治療費にも対応できる?

☑ 将来、家族が犬を引き取れる?

犬の世話は、体調や天気に関係なく毎日続きます。

夏は早朝や夜に散歩へ行くなど、犬に合わせて生活時間を変えることもあります。

今は問題なく散歩ができていても、歩く速さや外出の回数に変化があれば、将来は毎日の散歩が負担になるかもしれません。

犬を迎える前に、今の元気さだけでなく、最近の体力や生活の変化も家族で確認してみましょう。

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将来、子ども世代は犬の飼い主になれる?

高齢の親が犬を迎える前に、子ども世代は次のことまで引き継げるか考えてみましょう。

🏠 子ども世代が将来引き継げる?

☑ 自宅で犬を飼う

☑ 毎日の散歩や食事を続ける

☑ 動物病院へ連れて行く

☑ 治療費や老犬介護を担う

「何かあれば家族が手伝えばいい」と考えることもあるでしょう。

しかし、親が病気や入院で世話を続けられなくなれば、家族が犬の生活そのものを引き継ぐ可能性があります。

自分の子どもが「犬を飼いたい」と言ったとき、保護者は、自分が将来世話を引き受ける可能性まで考えます。高齢の親が犬を迎える状況も、少し似ています。

📌 「時々、散歩を手伝えるか」ではなく、
「親に代わって犬の飼い主になれるか」を考えましょう。

「親族の誰か」ではなく、具体的に誰が犬を引き取るのかを、迎える前に話し合っておくことが大切です。

🔗認知症の親と犬との暮らしについて詳しく知りたい方はこちら

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高齢者でも飼いやすい犬はいる?

「小型犬や子犬なら、世話が楽なのでは?」と思う方もいるでしょう。

しかし、体の大きさや見た目だけで、飼いやすさは決まりません。

🐕 犬を選ぶときに確認したいこと

☑ 必要な散歩や運動の量

☑ 性格や活発さ

☑ 年齢や健康状態

☑ お手入れの頻度

小型犬でも、活発で多くの運動を必要とする犬はいます。

また、子犬はかわいらしい一方、成犬になるまでは誤飲やいたずらに注意が必要です。

わが家でも、子犬の頃の誤飲で治療が必要になりました。

落ち着いた成犬は、体の大きさや性格が分かりやすい場合があります。

ただし、成犬や保護犬なら誰でも飼いやすいわけではありません。

犬種や見た目だけでなく、その犬と今後の生活が合うかを考えましょう。

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犬を迎えない選択も、犬を大切に考えた答え

将来、家族が犬の一生を引き受けることが難しい場合は、新しく迎えない選択もあります。

ただし、犬と関わる方法は、自分が飼い主になることだけではありません。

たとえば、

🐾 犬を飼わずに関わる方法

  • 家族の犬と散歩を楽しむ
  • 条件が合えば、保護犬ボランティアに参加する
  • 犬との触れ合い活動を探す

などの方法があります。

わが家では、私たち子ども世代が犬を飼い、近くに住む親も犬との時間を楽しんでいます。

一方、毎日の世話や動物病院への通院など、犬の一生に対する責任は、飼い主である私たちが担っています。

このように、子ども世代が飼い主となり、親は犬と触れ合う方法もあります。

🐾 犬が好きだからこそ、「飼いたい」だけでなく、
「この犬を最後まで幸せにできるか」を考えることも大切です。

犬は癒やしを与えるだけの存在ではなく、毎日の世話が必要な命です。

「一人の時間が寂しい」「話し相手がほしい」という場合は、会話を楽しめるロボットなど、毎日の世話を必要としない選択肢を検討してもよいでしょう。


まとめ|最後の年齢より「犬の最後まで」を考えよう

犬を飼う最後の年齢に、一律の答えはありません。

70代・80代だからという理由だけで、「犬は飼えない」と決めることもできません。

しかし、犬の平均寿命を考えると、今の元気さだけで判断するのではなく、10年後、15年後の暮らしまで考える必要があります。

特に大切なのは、親が世話を続けられなくなったとき、子ども世代が犬の一生を引き受けられるかです。

家族が引き継ぐことが難しい場合は、新しく迎えないことも、犬を大切に考えた責任ある選択です。

犬との関わり方は、自分が飼い主になることだけではありません。

🐾 犬が好きだからこそ、「今、飼えるか」ではなく、
「犬の最後まで責任を持てるか」を家族で考えてから決めましょう。

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