親の電話が聞き取りづらい…声が小さい・話がかみ合わないときの原因と対応【ST解説】

親の電話が聞き取りづらいと感じた家族の不安を表したアイキャッチ画像 話す食べる相談室

はじめに

最近、親と電話をしていて、

  • 何度も聞き返してしまう
  • 声が小さくて聞こえにくい
  • 話がかみ合わない
  • 同じ話を何度もする

こんな変化に気づいて、不安になったことはありませんか。

「年齢のせいかな」と思って見過ごしがちですが、電話での聞き取りづらさは、親の変化に家族が最初に気づきやすいサインのひとつです。

私は言語聴覚士(ST)として高齢者のリハビリに関わる中で、ご本人やご家族から電話での困りごとについて相談を受けることがあります。

実際にデイサービスでは、ご本人から
「親戚と話しても何を話しているかわからないと言われた」
とリハビリを希望されたケースもあります。

今回は、親の電話が聞き取りづらくなったときに考えたい原因と、家庭でできる対応をSTの視点からわかりやすくお伝えします。


親の電話が聞き取りづらいときに多い3つの変化

親との電話で、次のような変化に気づくことがあります。

声が小さくなった

以前より声に張りがなく、元気がないように感じることがあります。
対面ではそこまで気にならなくても、電話では「何度も聞き返してしまう」と感じやすくなります。

もごもごして聞き取りにくい

言葉がはっきりせず、もごもごした話し方になることがあります。
特に歯の欠損や義歯の不具合、口の動きの低下があると目立ちやすいです。

🔗口の動きや滑舌の低下が気になる場合は、こちらの記事で具体的な体操を紹介しています。
高齢者の滑舌が気になる?口の体操の効果とやり方【ST監修】

話がかみ合わない・聞き返しが増えた

質問に対して返答がずれたり、同じ話を繰り返したりすることがあります。
電話では表情や口の動きが見えず、声だけを頼りに理解するため、こうした変化に気づきやすくなります。

親の声が小さい・もごもご話すなど話し方の変化に家族が気づく場面の挿絵

電話で聞き取りづらい主な3つの原因【ST視点】

電話での聞き取りづらさには、いくつかの原因が重なっていることがあります。

声を出す力が弱くなっている

加齢による筋力や呼吸機能の低下で、声量が落ちることがあります。
特に パーキンソン病では声が小さくなりやすく、電話で聞き取りにくさが目立ちやすいです。

口や舌の動きが低下している

舌や唇の動きが弱くなると、言葉が不明瞭になります。
また、歯の欠損や義歯の不適合によって滑舌が悪くなることもあります。

話を整理して伝えにくくなっている

高齢になると、思いついたことを一気に話してしまったり、途中で話題が変わったりすることがあります。

  • 話すスピードが速くなる
  • 話題が途中で変わる
  • 内容がまとまりにくい

対面では表情や周囲の様子から何となく理解しやすいですが、電話では声だけのやり取りになるため、家族は「何を言っているかわからない」と感じやすくなります。

特に認知機能の低下がある場合は、会話のずれがより目立つことがあります。


家庭でできる3つの対応

一度にたくさん質問しない

電話では一度に複数の質問をすると混乱しやすくなります。

「今日はご飯食べた?元気?」ではなく、

「今日はご飯食べた?」
「何を食べた?」

短く区切って聞くのがおすすめです。

一文を短く話してもらう

実際のリハビリでも、話すスピードが速い方には

  • 一呼吸おく
  • 一文を短くする

ことを意識してもらいます。

たとえば

「今日は病院に行って、そのあと買い物して…」

ではなく

「今日は病院に行ったよ」
「帰りに買い物したよ」

と区切るだけでも、聞き取りやすくなります。

電話前に声を出してもらう

私の臨床経験では、パーキンソン病の方で、会話の前に「あー」と一音しっかり発声してから話し始めると、その後の声量が出やすくなる方もいらっしゃいました。

実際に、単音発声のあとに会話へ入ることで、声の出だしが安定しやすいケースもあります。

ただし、その場では声が出やすくなっても、意識しないとすぐに声量が低下してしまうことも少なくありません。

そのため、電話の前にひと呼吸おいて声を出す習慣づけや、日頃から無理のない範囲で発声練習を続けることが大切です。

🔗家で無理なく続けられる発声練習については、こちらの記事でも詳しく紹介しています。
  声がかすれる高齢者へ|家でできる簡単声トレ5選

高齢の親が「あー」と発声練習を行い、家族がサポートしている場面のイラスト

改善が難しいケースもある

正直にお伝えすると、進行性の病気が背景にある場合は、改善が難しいと感じるケースもあります。

また、高齢になると感染症や体調不良で入退院を繰り返すことも少なくありません。

そうした中で体力や筋力が落ちていくと、声の出しづらさや話し方の変化が目立ってくることがあります。

だからこそ、家族が「最近電話で聞き取りにくいかも」といった小さな変化に早めに気づくことがとても大切です。

親の話し方の変化について家族が医療職へ相談している場面の挿絵

まとめ

親の電話が聞き取りづらくなったときは、単なる加齢だけでなく、病気や認知機能の変化が隠れていることもあります。

電話は、家族が最初に親の変化に気づきやすい大切なきっかけです。

「最近少しおかしいかも」と感じたら、早めに相談してみてください。

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