はじめに
「母の話が聞き取りづらくなった」「おじいちゃんの声がもごもごしてきた」──
そんな小さな変化を感じたことはありませんか?
年齢を重ねると、口や舌、頬の筋肉が少しずつ衰え、言葉がはっきり出にくくなります。
これは“話す力”だけでなく、“食べる力”にも関係しています。
でも安心してください。
毎日の「口の体操」で、滑舌や発声、飲み込みの力を維持することが可能です。
👉 声のかすれが気になる方は、
高齢者の声がかすれる原因と対策|放置NGのサイン もあわせてどうぞ。
高齢者の滑舌が悪くなる原因とは?

滑舌が悪くなる原因は、加齢による筋肉の衰えだけではありません。
複数の要因が重なって起こります。
- 口や舌の筋力低下:発音に必要な動きが鈍くなる
- 口腔乾燥(ドライマウス):唾液が減り、舌の滑りが悪くなる
- 呼吸筋の衰え:息の流れが弱くなり、声が小さくなる
- 会話量の減少:話す機会が減り、筋肉を使う回数が減る
これらは「オーラルフレイル(口の老化)」の初期サインでもあります。
早めの対策で、誤嚥や構音障害の予防につながります。
口の体操の効果|滑舌・嚥下・発声をまるごと支える
口の体操を続けることで、次のような効果が期待できます。
- 滑舌の改善:舌・唇・頬の動きがスムーズになり、言葉が明瞭に。
- むせ・誤嚥の予防:嚥下に関わる筋肉を刺激。食事時の安全性アップ。
- 唾液分泌の促進:口の中がうるおい、細菌の繁殖を抑制。
- 発声の安定化:呼吸と声帯の動きが整い、聞き取りやすい声を保つ。
👉 嚥下機能が気になる方は、
【2025年版】現役STが教える!自宅でできる誤嚥性肺炎予防トレーニングも参考になります。
自宅でできる!口の体操のやり方
① 舌・唇のストレッチ(ウォーミングアップ)
まずは、口まわりの筋肉をゆるめる準備体操から。
- 舌を上下・左右に動かす(各5回)
- 舌を前に突き出して戻す(5回)
- 唇を「うー」「いー」と交互に動かす(5回)
💡ポイント: ゆっくり・大きく・丁寧に。
鏡を見ながら行うと表情筋も刺激され、表情の明るさにもつながります。
② あ・い・う・え・お体操
滑舌改善の基本。口の開閉を大きくし、声を出しながら発声します。

- 「あ」:あごを下げ、口を縦に開く
- 「い」:口角を横に引く
- 「う」:唇を前にすぼめる
- 「え」「お」:舌とあごをしっかり動かす
声が出しにくい方は、口の形だけでもOK。
1日2〜3回、1セット10秒ほどで効果が出ます。
③ あいうべー体操
最近では、“口呼吸を改善し全身の健康を整える”ことを目的とした**「あいうべ体操」**も注目されています。
パタカラ体操のように舌や唇の筋肉を使うため、滑舌や嚥下のトレーニングにも応用できます。
やり方はシンプルです。
- 「あ・い・う・べー」と順番に声を出す
- 最後の「べー」で舌を思い切り前に出す
- 1日2〜3セットが目安
💡ポイント:舌を動かすことで、のどや呼吸筋も刺激。声・嚥下・呼吸をまとめて鍛えられます。
無理なく続けるコツ|毎食前1分でOK
音読・早口言葉で脳も活性化
新聞の見出しや短い詩を音読するのも効果的。
「生麦生米生卵」などの早口言葉は、滑舌・発声・集中力のトレーニングになります。
💡さらにトレーニングを深めたい方におすすめ。
言葉が出にくくなったり、会話中に詰まる方へ。
脳科学の第一人者・川島隆太教授監修の早口言葉トレーニングで、滑舌と脳の両方を元気にできます。
歌や朗読で楽しむ
好きな歌を口ずさんだり、唱歌を一緒に歌ったり。
声を出すことがリズム運動にもなり、呼吸筋の維持にもつながります。
食前の1分習慣
食事の前にストレッチや「あいうえお体操」を1分だけ行うことで、
嚥下機能が刺激され、むせの予防にもつながります。
注意したい病気のサイン
以下のような変化が見られたら、早めに医療機関へ相談を。
- 急に滑舌が悪くなった
- 飲み込みに時間がかかる
- 声がかすれたり、むせが増えた
脳梗塞や構音障害、パーキンソン病の初期サインの可能性もあります。
「年のせい」と思わず、早めの受診を。

まとめ
「話しづらい」「聞き取りづらい」という変化は、
口の筋肉や舌の動きが弱ってきたサインかもしれません。
毎日の「口の体操」で、話す・食べる・笑う力を守ることができます。
また、会話の聞き取りづらさが気になる場合は、
👉 みみ太郎を徹底解説|買う前に読むべき記事
も参考にしてみてください。
今日から“1日1分”続けてみませんか?
会話の明るさと食事の安心が、きっと戻ってきます。

