はじめに
親の介護が始まったとき、
「仕事を辞めるしかないかもしれない…」
そう感じてしまう方は少なくありません。
私も介護施設で15年以上働く中で、
仕事と介護の両立に悩み、
やむを得ず介護離職を選んだご家族を何人も見てきました。
でも実際には、
退職する前に使える制度があります。
たとえば
- 介護を理由に退職した場合の失業保険
- 仕事を辞めずに休める介護休業制度
- 再就職時に使える手当や助成金
などです。
知らないまま辞めてしまうと、
「もっと早く知っていれば…」
と後悔するケースも少なくありません。
この記事では、
介護離職を防ぐために知っておきたい制度を、
現場でご家族を見てきた立場から、
わかりやすく解説します。

介護離職しても失業保険はもらえる?もらえない?
「親の介護で仕事を辞めるしかないかも…でも、失業保険ってもらえるの?」
そんな不安を感じる方はとても多いです。
結論から言うと、
介護を理由に退職した場合でも、失業保険(正式名称:雇用保険の基本手当)を受給できる可能性があります。
ただし、「通常の自己都合退職」になるか、
「やむを得ない事情のある退職」として扱われるかで、給付までの期間が大きく変わります。
「特定理由離職者」に該当するかがポイント
介護を理由に退職する場合、
「特定理由離職者」
として認められるケースがあります。
これは、
自己都合退職ではあるものの、
「やむを得ない事情があった」
と判断される人のことです。
たとえば、
- 親の介護が急に必要になった
- 仕事との両立が難しくなった
- 家族のサポート体制が整わなかった
こうした事情がある場合、
通常の自己都合退職よりも優遇される可能性があります。
自己都合退職との違いは?
| タイプ | 待機期間 | 特徴 |
|---|---|---|
| 自己都合退職 | 原則あり | 給付制限がある |
| 特定理由離職者(介護など) | 短縮・緩和される場合あり | 書類提出や認定が必要 |
※制度は時期によって変更されることがあるため、最新情報はハローワークで確認しましょう。
退職前に相談しておくことが大切
介護を理由に辞めたつもりでも、
手続きが不十分だと
「通常の自己都合退職」として扱われてしまうことがあります。
そうなると、
給付までの期間が長くなり、
生活への負担も大きくなってしまいます。
だからこそ、退職する前に
ハローワークへ相談しておくことがとても大切です。
「辞めてから」ではなく
「辞める前」
ここが大きなポイントです。
介護離職を防ぐのに使える制度はある?
「辞める前提」ではなく、辞めないために使える制度を2つ解説します。
介護休業制度
✅ どんな制度?
- 要介護状態の家族1人につき、最大93日まで介護休業を取得可能。(3回まで分割OK)
- 給付額は休業前賃金の67%程度(条件あり)雇用保険加入者であれば「介護休業給付金」も支給対象に!
✅ 対象者と条件
- 雇用保険に1年以上加入している
- 事業主に申し出て、介護休業を取得すること
- 介護対象家族の状況が要件に該当する
「いったん仕事を休んで考える」選択肢として、離職を防ぐために非常に有効な制度です。
時短勤務やフレックスタイム制度の活用
- 時間単位の年休
- 時差出勤や在宅勤務なども含めて、会社によって柔軟な対応が可能なケースも
🔸 会社の就業規則や人事担当に、早めに相談することがカギです。

介護離職の前後で使える助成金って?
介護を理由に「退職前」も「退職後」も、実は活用できる助成制度があります。
「両立支援等助成金」
社員が介護休業や短時間勤務を取得した企業に対し、国から助成金が支給されます。
- 中小企業の場合、最大36万円(※介護離職防止支援コースの場合)
- 社員本人には直接支払われませんが、制度を利用しやすい職場づくりの後押しになります。
「再就職手当」
✅ どんな制度?
失業保険受給中に早期就職が決まった場合に最大70%の手当が支給されることもある手当。
✅ 受給条件
- 失業保険の受給資格があること
- 所定給付日数の3分の1以上を残して再就職したこと
- ハローワークを通じて就職活動を行っていること
🔍「ブランクが心配…」という方でも、ハローワークや自治体の再就職支援を活用すれば安心です。退職後の再就職に役立ちます。
「高年齢求職者給付金」
✅ どんな制度?
65歳以上で退職した人向けの一時金型の失業手当です。
高齢の家族を介護するために退職した場合でも、条件を満たせば対象になります。
✅ 対象者と条件
- 雇用保険に一定期間以上加入していた人が対象
- 退職理由や雇用形態によって金額が異なる
💡会社を辞めても、年齢に応じた支援があることを知っておきましょう。
3つの支援制度を比較してみよう!
| 項目 | 両立支援等助成金 | 再就職手当 | 高年齢求職者給付金 |
|---|---|---|---|
| 対象 | 事業主(企業側) | 失業保険受給中の求職者 | 60~64歳の求職者(条件あり) |
| 支給対象者 | 介護と仕事を両立する従業員の雇用主 | 早期に再就職した本人 | 一定条件を満たす本人 |
| 支給金額 | 最大36万円(介護離職防止支援コースの場合) | 基本手当の最大70%(条件による) | 最大50日分の基本手当相当額 |
| 支給タイミング | 介護との両立継続が確認された後 | 再就職から1ヶ月後~ | 申請後に支給 |
| ポイント | 会社が申請。制度がやや複雑 | 早く就職すると多くもらえる | 雇用保険の加入期間が短くてもOK |

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介護にどれくらいの費用がかかるのかを把握しておくと、判断がしやすくなります。
まとめ
介護は突然始まることも多く、「もう辞めるしかない」と思い詰めてしまう方も少なくありません。
でも、辞める前に「知っておく」だけで選択肢が広がります。
辞める前にできること
✅ 退職前にハローワークで相談
✅ 「介護休業」の検討
✅ 家族やケアマネジャーと、今後の見通しを共有
「仕事か介護か」ではなく、「両立する」選択肢を持つために、
この記事が、あなたやご家族の助けになれば嬉しいです。


